表題とは矛盾するが、サーバを構築するだけなら、実は簡単だ。このサーバの 構築にしても、PCショップで部品を買って組み立ててOSをインストールして必 要なプログラムを入れて…とやっても、実働では4日(初期不良だったり、日程 の調整がつかなかったりの影響で実際には2週間かかっているが)くらいしかか かっていない。OSを入れるといっても、今のPC-UNIXなどは親切なインストー ラが附属するし、Daemonの設定にしたってマニュアルを読み、webを調べれば 簡単にできてしまう。まったく何もしらない初心者ではちょっと苦しいかもし れないが、それでも1〜2ヶ月で同じ環境を構築できるのではないだろうか。
しかし、そのサーバを運用していくとなると話は違う。構築は、多くの作業を 必要とするが時限のものである。それに対し、管理、運用は、1日あたりの作 業量としてはさしたるものではないが、それをサーバがある限り、続けていか ねばならない。パッチも毎日のように出る。その情報収集だけでも大変だ。や めるのは、サーバそのものをなくす時だ。そして、もし問題が生じたら、その 復旧にかかる手間は、新しいサーバの構築と比較してそれほど楽なものではな いかもしれない。
また、目標がはっきりしないところも、仕事を難しくする。サーバを構築する 場合には、自分のさせたいことがはっきりしていれば、それが出来ているかど うかを確認するのは簡単だ。しかし、今サーバが正しい状態にあるか、不正侵 入を受けていないか、そのことを確証することは非常に困難だ。それと、「自 分の(ポジティブな意味で)思い通り動く」サーバはそんなに難しくないが、 「そうなってほしくない(ネガティブな意味で)ようには動かない」サーバの設 定は、思いのほか難しかったりする。
そしてもう1つ。サーバを構築するのは、そのサーバに何かをさせたいからだ。 つまり、サーバの構築は、その上で動くコンテンツが創造的だし、場合によっ てはサーバの構築そのものが創造的な仕事でもあり得る。こういう仕事は、やっ てて楽しいものである。しかし、日々の管理は、退屈なルーチンワークであり、 しかし、それを怠ると大変なことになってしまう。以上から、サーバを構築す る前に、これらにあてはまるかどうかを良く考えてもらいたい。