これは、他のマシンのMTAがせっかくメールを持ってきてもその時電源が落ちていたり、 或いはネットワークに繋がっていなかったりするわけで、メールを正常にやりとり することが出来ない、ということになります。 ならば、いっそのこと、常にネットワークに繋がっているマシン (プロバイダなどのマシン)にメールを溜めておいて、 自分の都合がいいときに取ってくる、という風にした方がなにかと便利でしょう。 その「都合のいいときにメールを取ってくる」ための約束事が POP: Post Office Protocol なのです。
ここでも POP server を mail.puni.net, ユーザ名を mimori としましょう。 接続 ですが POP はポート番号を 110 にして telnet してください。
POP の場合、たまっているメールを他人が受け取らない様に、パスワードによる認証を 行います。 つまり、自分が誰であるか、ということをまずコンピュータに言わない限り、 メールを読むことが出来ない、ということです。 ということで、認証関係のコマンドです。
さて、正しいユーザ名とパスワードを入れると、transaction state と呼ばれる 状態になり、メールを見たりすることが出来るようになります。 とはいえ、いきなりメールを見るのも何ですので、まずメールが何通来てるか 調べてみましょう。
+OK 3 2607と表示されたら、「今メールボックスに3通のメールがあり、2通で2607バイ トのサイズですよ」という意味です。 また、
+OK 3 messages (2607 octets)となれば、「1通めのサイズが954バイト、2通めは833バイト、3通めは820バイ トですよ」ということが分かります。 なお、1つだけについてサイズを知りたい場合には、例えば3番目のメールなら
1 954
2 833
3 820
.
ここまでの操作を実際にやると、下の図のようになるはずです。
さぁ、ついにメールを読みましょう。メールを見るには RETR というコマンドを 使います。先の3番目のメールをみたいなら
また、読み終わったメッセージを消すにはDELE を使います。 特にメール爆弾やSPAM などに苦しめられた時には、後に述べるTOP と併用すると 効果的にメールボックスを空にすることが出来ます。 例に、先程の3番目のメッセージを消してみましょう。
すると下の図のようになり、3番目のメッセージは消えてしまいます。
すべての操作が終わったら、接続を終了します。QUIT と打ってください。 すると下図の様に、接続が切れます。
ここにあるコマンドはオプションで、場合によってはないかもしれませんが、 あれば大変便利です。 それはTOP というコマンドで、メッセージの本文の最初数行だけ表示してくれます。 よって、いらないメールかどうかを判断するのに少ない通信費で済みます。 例えば2番目のメッセージのうち、本文の最初の1行だけを表示させるには、 次のようにします。
図のように2番めのメールの本文最初の2行までだけ(つまりヘッダは全部表示 されます)が表示されます。
そこまで読んでいらないメールだったら DELE コマンドを使ってメールボックスから 消してしまえばいいわけです。
この方法は、例えば巨大な画像ファイルを送り付けられてしまってメールスプール があふれた、などという場合に大変有効です。
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